マインドフルネスの定義
こんにちは!マインドフルネスコンサルタントの野村里奈です。
私は普段、学習院や大手企業などでマインドフルネス講座の講師をしています。
講座では「マインドフルネス」を下記のように定義しています。
意図的に現在の瞬間にそして瞬間瞬間に展開する『体験』に注意を払い、判断をしないことで現れる気づき
普段私たちは、無意識下でも絶えず思考していて、「未来のこと」や「過去のこと」で頭の中はいっぱいになっています。
そして「未来のこと」に思考を巡らせて不安になったり、「過去のこと」を思い出して落ち込んだり…。
つまり、私たちの意識が「今この瞬間」になく、かつ、物事の良し悪しを判断しているからこそ「不安」や「落ち込み」が生じているのです。
「良い判断をするならいいんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。例えば、「未来のこと」を考えてワクワク期待したり、「過去のこと」を考えて成功体験を思い出し優越感や達成感に浸ったり。「それって幸せなことなんじゃないの?」と思われるでしょう。
確かに、それは幸せなのかもしれません。ただ、物事は常に相反する性質を有しているため、ポジティブな状況を求めると、同等のネガティブな状況も存在することになります。
今この瞬間に注意を払い、判断することを手放すことで、ポジティブもネガティブもありのままを受け入れられるようになり、どちらの状況下でも幸せになれるのです。これがマインドフルネスが意味するものです。
ご参考までに、他にはどんな定義がされているかも見てみましょう。言葉や言い回しに若干の違いはありますが、大方似たような定義がされているのではないでしょうか?
今の瞬間の「現実」に気づきを向け、その現実をあるがままに知覚しそれに対する思考や感情には捉われないでいる心の持ち方、存在の有様
医学博士 早稲田大学 人間科学学術員教授 熊野宏昭氏
幅広い対象のその瞬間の状態に意識を傾ける
ライス大学教授エリック・デーン氏
特別な形、つまり意図的に、今の瞬間に、評価や判断とは無縁の形で注意を払うこと
ジョン・カバットジン(マサチューセッツ大学教授)※マインドフルネスストレス低減法の開発者
自分の意識を今の現実に敏感に保つこと
ティック・ナット・ハン(ベトナムの禅僧)
今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずにとらわれのない状態でただ観ること
日本マインドフルネス協会
今この瞬間の自分の体験に注意を向けて現実をあるがままに受け入れること
Wikipedia
マインドフルネスの専門家や実践者が、より伝わるような言葉を慎重に選んで、それぞれに表現していると思います。
マインドフルネスは、実践して経験することで得られる状態であり、目には見えない領域(※)のため、それぞれの定義が同じなのか違うのか、検証することはできません。しかし、マインドフルネス実践者としての私の経験では、上記のうち違和感のある定義はないという感覚を持っています。
※マインドフルネスの効果については、脳科学的根拠は発表されています。Lay®︎ブログの中でもご紹介していきたいと思います。
この記事へのコメントはありません。