
第1回:意味ってなんだろう? ー「伝わる」とはどういうことか
【シリーズエッセイ(全9回)】意味・意識・AI・人間ーAI時代にマインドフルネスが必要な理由ー はじめに:AIとは何か? 私たちは今、AI(人工知能)とともに生きる時代にいます。AIとは、人間のように見える「賢いふるまい」を、コンピュータによって再現しようとする技術です。 近年、ChatGPTをはじめとする...
【シリーズエッセイ(全9回)】意味・意識・AI・人間ーAI時代にマインドフルネスが必要な理由ー はじめに:AIとは何か? 私たちは今、AI(人工知能)とともに生きる時代にいます。AIとは、人間のように見える「賢いふるまい」を、コンピュータによって再現しようとする技術です。 近年、ChatGPTをはじめとする...
第3回:意味の凝縮 ー俳句と直感に宿る世界 ここまで3回にわたって、「今ここ」という瞬間を、物質的・時間的・意味的な凝縮点として見つめてきました。 最終回となる今回は、そこから一歩踏み込み、なぜ私たちは、この「凝縮された世界」を生きているのかという根源的な問いに向き合ってみたいと思います。 私たちはなぜ「こ...
第2回:時間の凝縮 ー開かれた過去と未来のなかで 閑さや 川にしみ入る 蝉の声(松尾芭蕉) この一句を目にしたとき、あなたはどんな情景を思い浮かべるでしょうか。 せみの鳴き声が、静けさの中に染み渡る川辺の風景。ゆるやかに流れる時間、湿った空気の気配、夏の匂い。まるで一枚の絵のように、その瞬間の世界が目の前に...
第1回:物質の量子化ー見えるということの哲学 「時間ってなんだろう?」 この問いをあらためて考えてみると、私たちが時間を語るとき、それはたいてい「出来事のつながり」として語られていることに気づきます。 たとえば、自分のこれまでの人生をふり返るとき、そこにあるのは「受験に失敗した」「転職した」「大切な人と出会...
「この世界は波でできている」 そんな言葉を、聞いたことがあるかもしれません。特にスピリチュアルな場面ではよく語られますが、実はこれは科学的にも確かな視点なのです。 量子力学の世界では、私たちが「モノ」と呼ぶ存在は、最初から物質としてそこにあるわけではありません。最初にあるのは、「確率波」と呼ばれるもの。これ...
第3回:分権の文化が変革を阻む—民主的組織に潜む「変われなさ」のミーム これまでの3回では、企業文化がどのように形成され、どのようにして変化の足かせとなるかを見てきました。 ・第2回:創業者の直感が中心だった文化が、時代の変化に取り残されたケース ・第3回:現場主義・分権型の文化が、共通ルールを必要とする局...
第2回:事業は変わったのに企業文化は変われなかった——創業者ドリブンが通用しなくなるとき 前回は、強力な創業者主導の企業文化が、事業の多角化や顧客の変化に対応できなかった事例を紹介しました。 今回はその逆のケースです。 もともと「現場重視」「ボトムアップ」「自由な裁量」を大切にしてきた民主的な組織が、 いざ...
第1回:企業文化の正体は「ミーム」だった ー可視化の新アプローチ 企業文化=ミームは、空気のように組織内に広がっていきますが、それは決して偶然に発生するものではありません。 ミームには必ず、その文化が合理的だった背景が存在するのです。 その最たる要因が、事業モデルです。 組織がどういう市場で、どんな顧客に対...
会社員として働いていた頃、日々の意思決定や会議の空気、人間関係のちょっとした緊張感の裏には、言葉にならない「何か」が流れていることを肌で感じていました。 それは目に見えないけれど、確かに人のふるまいを左右し、組織全体の方向すら決めてしまう力でした。 その「何か」の正体をより明確に知りたい—。 そんな想いを胸...
「生命とは何か」「意識とは何か」。それは、学問的にも日常的にも語られ続けてきた問いですが、簡単に答えが出るものではありません。 私自身、修士論文に取り組む中で、この問いに本格的に向き合うことになりました。東洋哲学や仏教思想、西田幾多郎の思想に始まり、生物学、脳科学、量子力学といった多様な分野の文献に触れなが...