
第4回:「今ここ」の必然性 ー肉体と意識を超えて存在する理由
第3回:意味の凝縮 ー俳句と直感に宿る世界 ここまで3回にわたって、「今ここ」という瞬間を、物質的・時間的・意味的な凝縮点として見つめてきました。 最終回となる今回は、そこから一歩踏み込み、なぜ私たちは、この「凝縮された世界」を生きているのかという根源的な問いに向き合ってみたいと思います。 私たちはなぜ「こ...
第3回:意味の凝縮 ー俳句と直感に宿る世界 ここまで3回にわたって、「今ここ」という瞬間を、物質的・時間的・意味的な凝縮点として見つめてきました。 最終回となる今回は、そこから一歩踏み込み、なぜ私たちは、この「凝縮された世界」を生きているのかという根源的な問いに向き合ってみたいと思います。 私たちはなぜ「こ...
第2回:時間の凝縮 ー開かれた過去と未来のなかで 閑さや 川にしみ入る 蝉の声(松尾芭蕉) この一句を目にしたとき、あなたはどんな情景を思い浮かべるでしょうか。 せみの鳴き声が、静けさの中に染み渡る川辺の風景。ゆるやかに流れる時間、湿った空気の気配、夏の匂い。まるで一枚の絵のように、その瞬間の世界が目の前に...
第1回:物質の量子化ー見えるということの哲学 「時間ってなんだろう?」 この問いをあらためて考えてみると、私たちが時間を語るとき、それはたいてい「出来事のつながり」として語られていることに気づきます。 たとえば、自分のこれまでの人生をふり返るとき、そこにあるのは「受験に失敗した」「転職した」「大切な人と出会...
「この世界は波でできている」 そんな言葉を、聞いたことがあるかもしれません。特にスピリチュアルな場面ではよく語られますが、実はこれは科学的にも確かな視点なのです。 量子力学の世界では、私たちが「モノ」と呼ぶ存在は、最初から物質としてそこにあるわけではありません。最初にあるのは、「確率波」と呼ばれるもの。これ...
「生命とは何か」「意識とは何か」。それは、学問的にも日常的にも語られ続けてきた問いですが、簡単に答えが出るものではありません。 私自身、修士論文に取り組む中で、この問いに本格的に向き合うことになりました。東洋哲学や仏教思想、西田幾多郎の思想に始まり、生物学、脳科学、量子力学といった多様な分野の文献に触れなが...
AIが急速に進化し、私たちはこれまでにないスピードで情報に触れ、知識を得ることができるようになりました。検索すれば即座に答えが出てきて、ビッグデータを使えば未来の傾向さえ予測できます。 でも、そんな便利な時代だからこそ、私はふと立ち止まって考えたくなるのです。「その情報は、本当に私にとって大事なものだろうか...
「より最適な選択をしなければ」「もっとスピーディーに決断しなければ」──そんな焦りに包まれた日々を、私たちは生きています。AIやビッグデータが意思決定の一部を担う今、便利さの一方で、自分の感覚や判断に自信が持てなくなっている方も多いのではないでしょうか。 ビジネスの現場では、知識や情報、数字や論理といった「...
「人生は苦である」というブッダの言葉は、少し厳しく聞こえるかもしれません。でも、もしこれを「人生は学びである」と読み替えてみたらどうでしょう。苦しみをただのネガティブな経験として扱うのではなく、自分自身と向き合い、理解を深めるためのきっかけとして受けとめられるようになります。視点を少し変えるだけで、日々の出...
日々の暮らしの中で、私たちはさまざまな言葉や出来事に出会います。ときには心が揺れ動き、思わず立ち止まったり、引っかかってしまったりすることもあるでしょう。その反応自体に良し悪しはありませんが、ふと「もう少し軽やかに受け流せたら」と感じることもあるのではないでしょうか。そんなときに助けとなるのが、「スルースキ...
現代社会は、テクノロジーの進化とグローバル化によって、多くの選択肢と物質的な豊かさを実現してきました。情報へのアクセスは容易になり、働き方や生活様式も多様化しています。こうした環境の変化により、個人や組織は柔軟な意思決定が可能になりました。 その一方で、選択肢の増加が競争や自己利益の追求を助長し、エゴや分断...