感情が生まれるプロセスと向き合い方|学習院さくらアカデミー|マインドフルネス冬講座レポート③
こんにちは、野村里奈です。
先月(2026年3月)、学習院さくらアカデミーにて開催したマインドフルネス冬講座のレポート、今回はその第3回です。
Day3のテーマは、感情のデトックス。
感情の仕組みを理解しながら、無理にコントロールするのではなく、気づきながら整えていく時間となりました。
感情は「出来事」から生まれているわけではない
講座の冒頭では、
👉「感情はどこから生まれるのか?」
という問いからスタートしました。
私たちはつい、
「嫌なことがあったからイライラする」
「相手の言動で傷ついた」
と捉えがちですが、実際にはもう少しプロセスがあります。
感情は、
👉出来事(観測可能な事実)→身体反応→意味づけ
という流れを経て生まれます。
つまり、
👉同じ出来事でも、どのように意味づけるかによって、生まれる感情は変わる
ということです。
なぜ同じ出来事でも感じ方が違うのか
講座では、「意味づけ」に影響を与える要素についても扱いました。
- 立場や役割
- 相手との関係性
- 過去の経験
- 価値観
- 体調やコンディション
こうした要素が重なり合って、私たちは瞬時に「解釈」をつくり、感情を生み出しています。
つまり、
👉感情は固定されたものではなく、そのときの自分の状態によって変化する
ものなんですね。
感情が強くなる3つのパターン
講座の中では、感情が強まる原因として、以下の3つを整理しました。
- 抑圧(本当は感じているのに抑え込む)
- 回避(見たくないものから目を逸らす)
- 反芻(同じ思考を繰り返す)
一見すると、どれも「対処している」ように見えます。
しかし、実は、
👉 感情を長引かせたり、強めたりする要因
にもなります。
「なんとかしよう」とするほど苦しくなる
ここでお伝えしたのが、
👉「抵抗」という視点
です。
ネガティブな感情に対して、こんな反応をしていないでしょうか?
「こんなことで落ち込んではいけない」
「早く気持ちを切り替えなければ」
こうした抵抗は、
👉一時的には感情を抑えられるように見えても、結果的に苦しさを増やしてしまう
ことがあるのです。
マインドフルネスのアプローチ
ここで大切になるのが、
👉 感情を変えようとするのではなく、「気づく」
という姿勢です。
講座では実践として、
👉呼吸瞑想
👉ラベリング(感情に名前をつける)
を行いました。
呼吸瞑想については、前回の記事でご紹介しましたね。
ラベリングは、例えば、
「イライラしている」
「不安を感じている」
と、シンプルに言葉にする(ラベルをつける、ラベリングする)ことで、感情と少し距離が生まれます。
「気づく」ことで変わるもの
この実践のポイントは、感情をなくすことではありません。
むしろ、
👉 感情に巻き込まれすぎない状態をつくること
です。
講座後には、
👉「今、自分がどんな感情なのかを捉えやすくなった」
👉「感情を無理に変えなくていいんだと思えて少し楽になった」
という声もありました。
まとめ
感情は、コントロールするものではなく、
👉 気づきながら関係性を変えていくもの
です。
不安や怒りといった感情も、なくす必要はありません。
ただ、その動きに気づきながら、少し距離をとることができると、私たちの選択は変わっていきます。
冬講座を終えて
全3回を通じて、参加者の皆さんから多く聞かれたのは、
「自分を客観的に見られるようになった」
「少し余白ができた」
「反応の仕方が変わってきた」
という変化でした。
冬という季節の静けさの中で、自分の内側に目を向ける時間。
その積み重ねが、日常の質を少しずつ変えていくのだと感じています。
これまでに開催した講座
学習院さくらアカデミーでは、春・秋・冬の年3期にわたり講座を担当しています。
(夏期は子ども向け講座を開催)
■ ミッドライフの揺らぎを読み解く
ー迷いを「問題」にしない、人生の再設計ワークショップー
2026年春/全3回/学習院大学 目白キャンパス(対面)/定員40名
■ 変化とともに在るためのマインドフルネス
ー不安や揺らぎを整えながら、今の自分に戻る練習ー
2026年春/全3回/学習院大学 目白キャンパス(対面)/定員40名
最新の開講情報は学習院さくらアカデミー公式サイトをご覧ください。
→ https://g-sakura-academy.jp/
■ マインドフルネスを組織で取り入れたい方へ
本講座で扱っている内容は、企業・団体向けの研修としても提供しています。
→ 企業向けマインドフルネス研修
参考文献
Barrett, L. F. (2017). How Emotions Are Made: The Secret Life of the Brain. Houghton Mifflin Harcourt.
Friston, K. (2010). The free-energy principle: A unified brain theory? Nature Reviews Neuroscience, 11(2), 127–138.
Lazarus, R. S. (1991). Emotion and Adaptation. Oxford University Press.
Nolen-Hoeksema, S. (2000). The role of rumination in depressive disorders and mixed anxiety/depressive symptoms. Journal of Abnormal Psychology, 109(3), 504–511.
Schachter, S., & Singer, J. E. (1962). Cognitive, social, and physiological determinants of emotional state. Psychological Review, 69(5), 379–399.
Watkins, E. R. (2008). Constructive and unconstructive repetitive thought. Psychological Bulletin, 134(2), 163–206.
